立体的な額装作品を額に入れる際に、マットサイズは市販の額縁に入る大きさに仕上げたのに、「奥行きの合う額縁がなくて選べませんでした」という生徒さんの声を聞くことがあります。
そんな時にどんな対処法があるのか、まとめてご紹介します。
①額装店で額縁に「ドロ足」をつけてもらう
普段から額装店にご相談が可能な方は、出来上がった作品を持って行って、気に入った額縁を選び、奥行きに合うよう、「ドロ足」を付けてもらいましょう。
ドロ足とは、額縁の裏に四角い木材を当てて、高さ出しをしてもらうことです。
この処理をしてもらえば、その木材部分にトンボを付けてもらるので、将来的に中身の入れ替えも可能です。
ただし、お値段は小さなものでもだいたい数千円は額縁代金に追加されますし、出来上がりまで日数もかかる、というところには注意が必要です。
②パッケする
出来上がったマット(額装作品)を、ガラス・裏板をセットした状態で、額縁にはめ込み、額縁と作品を一体化させて裏を化粧紙で閉じて固定する。(裏は額縁から箱がはみ出した状態)フランス額装ではこのやり方が一般的かと思われます。
③市販のボックス額を利用する
額装作品の設計段階でお好みのボックス額を用意して作品を作ります。
イケアなどでも奥行きのある箱型の額縁が売っていますね。
付属のスペーサー(奥行き幅の側面板)を使ったり、額縁の奥行きに合わせて高さ調節して作るので、裏の凹凸もなくスッキリ飾れます。
また、額縁の入っていた箱(かぶせ箱)にももちろん収まるので、収納もスマートです。
額を探したい方は色やサイズも豊富なアートプリントジャパンというメーカーさんの「アートボックスフレーム」をお薦めしています。額縁の見え幅が15〜18ミリくらいで外寸も大きくなりすぎず使いやすい額縁です。https://a.r10.to/haMm1T
④額縁部分も紙で包む
紙額(Cadre en papiers)で作品を仕上げます。
額縁を使うよりも軽く仕上がり、中の作品に合わせて好きな色のペーパーが使えます。
当教室のワークショップなどでは額縁なしで仕上げられるこちらのやり方を基本のマット作りの次にレッスンしています。
こちらもフランス額装作品ではよく見かけます。
飾る場所や額縁の種類、お値段や重さなど、各自のご希望に合わせてどちらの方法が良いのかご判断いただければと思います。
②④は奥行きに関わらず好きな額縁・好きなペーパーが使えるのがなんと言っても魅力ですが、特に奥行きがあるような個性的な額装作品であれば、③を利用してシンプルに仕上げるのを結構お薦めしています。
立体物を額装したり、箱型に仕立ててオブジェを飾ったりできるフランス額装。
マットの仕上がりだけでなく、ぜひ、額縁部分までトータルコーディネイトしてお楽しみください。
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