先日完成したKT様の作品。
伯父様が遺した趣味の切り絵作品がたくさんあり、大きさもミニ色紙(しきし)サイズでほぼ統一されているので、入れ替え可能な作りにしたいとのことでした。
すでにご自身でデザインはアンブリケ(マットを井桁状に組み合わせる)を希望されていたので、私からは、構造や色合わせなどをご提案。
スチレンボードで作品を入れ替える為のスペースを作り、裏板を当てて、上から出し入れできるようになっています。
お花など植物の切り絵だけでなく、たまに仏像(お釈迦様?)モチーフのものなどもあるので、「どんな切り絵作品にも合うような色を選ぶ」というのが難しいところでしたが、断面にチラ見せする効かせ色に選んだのは、ご本人のお好きなブルー(ティファニーブルーのようなミントグリーン)です。
広い範囲に使う白は、ただの白ではつまらないかなということで、金糸・銀糸がランダムに入った「てまり」という名前の和紙風ペーパーにしました。
多色使いのドキュモンや、今回のように入れるものが複数ある(決まっていない)時に、何にでも合う色でマットを仕上げようとすると、モノトーンや金銀など、使える色が限られてしまうと思いがちですが、飾りたい場所があればその場所のインテリアに使っている1色を加えたり、今回のように、作り手の好きな色を加える、というのも素敵なアイデアだと思います。
マットを作品に合わせたときに新たな表情が生まれることはもちろん、誰かへのプレゼントの場合には、作品をながめることで作り手のことを思い出したり、感じたりしていただける、大切な額装作品になると思います。
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